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BASIC member -7 karma
ハンベエはその様子を小首を傾げて見ていたが、「やっぱり、ちょっとは恥ずかしいのか?」とボソッとイザベラに言った。「あっ?」何の事だと言いたげに、イザベラはハンベエを見た。その時、ハンベエは左手で何かを払い除け、その同じ左手で手裏剣を放った。ハンベエが手裏剣を放った先で、弓を持った賊の一人が、胸のど真ん中にハンベエの手裏剣を受けて、驚愕に眼を見開いていた。男はゲボッと口から血を吐いて前にのめって倒れた。ハンベエから少し離れた地面にへし折れた矢が落ちていた。「おかしな真似するんじゃないよ。親分が死んでもいいのかいっ」凄まじい顔つきになってイザベラが怒鳴った。夜叉の表情になっている。遠巻きにしている山賊達に怒鳴った後、その怒りに燃え上がった眼差しをドン・バターに向けた。ドン・バターは震え上がり、「お前等、頼むから、馬鹿な真似するんじゃねえっ。」と子分達に向かって悲鳴のように叫んだ。ハンベエは弓で狙い撃たれた事に驚いた様子もなく、「いや、その、肌も露わの格好になってただろ。それが、恥ずかしかったのかな。・・・と、イザベラにしては意外な感じがしてな。」と質問の続きをした。「はあ?・・・それじゃあ何かい、あたしゃ、人前で裸晒して喜んでるイカれた露出狂の馬鹿女かい?、別に恥ずかしかないけど、スケベ野郎共にこれ以上サービスしてやる義理はないよ。十分目の保養はさせてやったんだしね。それにしても、ハンベエ、お前も緊張感の無い男だね。」イザベラはふんっと憎々しげに付け加えた。ハンベエ苦笑。「さて、親分さん、この後、どうしようかねえ。」イザベラは、ゾッとするほど酷薄そうな笑みを浮かべてドン・バターの方をねめ回した。ついさっきまでは、今夜はこの女の上に乗って、あんな事やこんな事をと、あらぬ事を考えていたドン・バターは、今や形勢逆転してみれば、とんでもない悪魔に捕まってしまったと感じずにはいられなかった。イザベラに眼を向けられ、メデューサに睨まれた人間が石に変わるように、体が硬直して仕方がない。それでも、ドン・バターは気力を振り絞って言った。「わしを盾にして、子分共を下がらせているが、それもいつまでも続かんぞ。下にいる子分共も駆け付けて来て、周りを取り囲む人数はどんどん増える。たった二人でどうするつもりだ。逃げられはせんぞ。」「ふん、増えるって言ったって、全部で精々百人くらいだろう。」イザベラ
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